2025.09.03
女性アスリートと地域をつなぐ、新しい応援のかたち ~アムゲット株式会社 アジアンバルwillオーナー 中村義広氏インタビュー~
先日、アムゲット株式会社 代表取締役の中村義広さんにお話を伺いました。本業の傍ら、アジアンバル「Will(ウィル)」を経営し女性アスリートを応援する活動を通じて社会貢献を目指す中村さんの熱い思い、そして「試合会場に30,000人のファンを動員したい」という目標に日々邁進する姿に迫りました。 1. 女性アスリートを応援したいという思い 中村さんには「女性にはいつも元気に輝いてほしい」という強い思いがあります。実は、選手たちの中には将来に不安を抱えている人もいるそうです。 そこで、ご自身の事業を活かし、選手のセカンドキャリア支援や、現役中に別の仕事の経験を積んでもらうサポートをされています。 【情熱を語る中村さん】 彼女たちがこうしたサポートを受けて活躍することで、彼女たちを応援するファンやスポンサーさんが様々な応援の形で経済を動かし、最終的に社会貢献につながると考えています。 では、具体的にどのようなアプローチをしているのでしょうか。 【インタビュアーのキャリアbase倉持】 2. 建築業を活かした独自のアプローチ 中村さんが展開する建築業の中でも、特に「塗装業」に焦点を当てたユニークな支援方法があります。アスリートが塗装の補助を行うという取り組みです。 塗装技術を習得するには通常10年の経験が必要とされますが、塗る作業自体は約5年ほどで習得できるそうです。 「職人もアスリートと同じで『積み上げていく仕事』だというところが共通している」と中村さん。 実際にフットサル選手が塗装のサポートを実施し、そのアスリートがモデルになったチラシを作成したところ、「あの選手にお願いしたい」というファンからの依頼が相次いでいるそうです。 体力勝負の塗装業は、アスリートにとって体力維持と経済力向上を両立できる最適な仕事だと中村さんは考えています。 3. アスリートプロデュース商品の開発 中村さんのもう一つの取り組みは、お歳暮・お中元商戦への参入です。人気アスリートがメーカーと協力してプロデュースするジュースやビールを企画しています。今後は、イラストが得意な選手にパッケージデザインを依頼するなど、複数のアスリートが関わる商品を展開する構想も温めています。 こうした商品をチラシや選手本人からの手紙と一緒に送ったり、こだわりの箱に入れたりすることで、作り手の思いや活躍に厚みを持たせ、アスリートの知名度を少しずつ広げています。 4. リアルな「応援の場」としての創作料理店 中村さんはさらに、アスリートを応援していることを、誰もが視覚的に感じられるように、創作料理店「アジアンバルWill」を経営しています。このお店は、「本当に女性アスリートを応援している人がここにいる」という既存の事実を発信する場所で、看板には店名とともに「女性アスリートもったいない野菜応援」の文字が掲げてあります。 すでに女性サッカー選手が数人スタッフとして働いており、その選手に会いにファンが来店することもあります。また、規格外野菜を栄養面にこだわるアスリートに食べてもらうことで、「このアスリートが食べていた規格外のお野菜が食べたい!」「農業をやってみたい」というように、野菜・農業に対する人々の認識を変えたいという思いが込められています。 店内には、特定のチームだけでなく、応援を依頼されたすべてのチームのポスターが壁一面に貼られています。これはチームへのこだわりではなく、アスリートそのものを応援したいという中村さんの気持ちの表れであり、温かみに満ちた空間になっています。 アジアンバルWillさんの食事はアジアン料理がメインで、いただいたガパオライスもとても絶品でした! 5. 「世のお母さんにはいつも元気でいてほしい」 多忙な日々の中でも、中村さんは奥様やお母様をとても大切にされています。毎月欠かさず奥様と旅行に行ったり、お母様からのリクエストがあれば日程を作って旅行や食事に出かけたりしているそうです。 「世のお母さんには元気でいてほしいじゃない」と明るく語る中村さんの笑顔は、優しさに満ち溢れていました。 6. 30,000人動員を目指す壮大な夢 中村さんは「1試合で30,000人をスタジアム動員し、年収1億円を稼ぐ女子フットサル選手を育成する」という大きな目標を掲げています。 今年度、フットサル日本女子選手がアジアカップで優勝し、史上初の開催となるワールドカップの切符を手に入れました。 女子フットサルという魅力溢れるスポーツをもっとたくさんの方に知ってもらい、アスリートが人々の心を豊かにする社会を作りたいという中村さんの願いは大きく、そこに向けてすでに多くの企画が生まれています。 そのために今できることを一つずつ実行することで、アスリートが長く活躍できる手段を生み出し、口コミで知名度を高める仕組みを作っています。そのうちのひとつに、シングルマザー支援があります。 これは、アスリートを応援するお店で働くとそのシングルマザーには収入、応援されているアスリートには広報料が生まれるような仕組みで、開発中ではありますが現在は行政に提案をしているところだと伺いました。 アスリートがこれら一連の活動は、ファンだけでなく無関心層にも“誰かの役に立つことで得られる喜び”に繋がるような温かくて人生が豊かになっていく経済効果を生み出し、社会全体を活性化させる事業へとつながっているのです。 「女子サッカーや女子フットサルの知名度はまだ低いかもしれませんが、彼女たちの試合には、とてつもない努力の積み重ねと闘志が詰まっています」と語る中村さんは、より多くの人にその魅力を知ってもらうため、自らも試合観戦に足を運んで応援しています。 今回、私たちのキャリアbaseの思いにも共感してくださり、今年のクラウドファンディングでは、「みなとチケット」にご寄付いただきました。中村さんの温かい人柄は、これからもっと多くの人に知っていただく必要があると感じています。 「毎日、本当に忙しいよ!」と笑いながらも、終始笑顔でアスリートへの応援や今後の事業展開を語る中村さん。私たちキャリアbaseとしても、今後ご一緒できることを模索していきたいと思います。 この度は貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございました。 【クラウドファンディング(みなとチケット)へご寄付ありがとうございました⛵✨】 Written by おーた 🍵