9月17日、鹿島学園高等学校の生徒を対象に、オンライン職業講話「第三回とりドリさんの場合。」を開催しました!
今回ご登壇いただいたのは、東放学園音響専門学校で進路担当をされている田所潤一さんと、経済産業省で国家公務員として働く和田啓之さん(通称、ゴリさん)です。
仕事も歩んできた道も違うお二人から、それぞれの「働く」についてお話しいただきました!
🐧「夢」は、最初から決まっていなくていい
最初に登壇したのは、田所さん。
音楽・ライブ、映像、ゲーム、配信など、エンタメ業界には表に立つ人だけではなく、「つくる人」「届ける人」「支える人」など、たくさんの仕事があることを紹介してくださいました。
現在は学生の進路を「支える人」である田所さんも、高校生の頃から今の仕事を目指していたわけではありません。
大学時代のペットショップでのアルバイトでは、自分なりの工夫がお客様の「ありがとう」につながり、仕事の喜びを実感。その後、店舗、人事・採用など、さまざまな仕事や人との出会いを重ね、現在の仕事へとつながっていきました。
田所さんから生徒たちへ届けられたのは、
「夢は、最初から決まっていなくてもいい。まずは、知らない仕事を知ろう。」
というメッセージ。
知る → やってみる → 人と出会う。
今の経験も、いつか自分の仕事につながっていくかもしれません。
🐧「ついやってしまうこと」から仕事を考える
続いて登壇したのは、和田さん(ゴリさん)。ゴリさんが生徒たちに投げかけたのは、「働くって何だろう?」という問いでした。
ゴリさんは『働く』を、『人+動く』と捉えます 。
面白いものを見つけると、つい誰かに教えたくなる。
話に入れていない人がいると、つい声をかけたくなる。
散らかっていると、つい、整えたくなる。
そんな「誰かに言われなくても自然とやってしまうこと」に、自分らしい仕事のヒントがあるかもしれないと教えてくれました。
ゴリさん自身が「ついやってしまうこと」は、「頑張っている人を見ると、応援したくなる」こと!
その思いは、公務員として中小企業を支える仕事や、東日本大震災後の福島の復興支援にもつながっています。
ゴリさんにとって公務員は、頑張る人を仕組みから支える「応援屋さん」。
福島の復興では、地域の方々の声を聞きながら、「人がいなくなった町に、どうしたらもう一度人が戻ってこられるのか」を考え、企業や地域の人たちとともに町の再生に取り組みました。
講話の最後には、もう一度生徒たちへ、「自分は、どんなときについ動いてしまうだろう?」と問いかけ、目を閉じて自分自身について考える時間をとりました👀
📝生徒たちのアンケートより
講話後のアンケートでは、お二人のお話を自分の将来や「働く」と重ねた、たくさんの声が寄せられました。
エンタメ業界には、表に立つ人だけでなく、キャストを支えるたくさんの仕事があることを初めて知った
今やりたいことがなくても大丈夫。今は夢をつくっている途中、「知っている途中」なんだと思えた
自分にはたくさんの選択肢があると感じた。好きなこと、やりたいこと、やりたくないことなど、いろいろな視点から将来を考えたい
復興支援にもいろいろな形があることを知った。困っている誰かのために動くことは素敵だと思った
働くことは、お金を稼ぐだけではなく、人を支え合うことでもあると分かった
自分の強みを活かせる仕事を考えるという視点をもらった
一つひとつの仕事が、たくさんの人のためになっていることを知った
自分がしたことで誰かを助けたり、感謝されたりする仕事がいいと思った。まずはいろいろなことを調べてみたい
いろいろな経験をしながら、自分の将来を見つけていきたい
💡生徒から講師のお二人へ質問✋
アンケートでは、講話を聞いたからこそ生まれた質問も寄せられました。
Q1「やりたい仕事がありません。趣味はあるけれど、それを仕事にできるのでしょうか?」
🐧田所さんからの回答:
趣味を仕事にできるかどうかで言えば、「できる可能性は大いにあります」。
ただ、「趣味=そのまま職業(仕事名)にする」ということだけが道ではありません。
講演でもお話ししたように、大事なのは「まずは小さく行動してみる・やってみる」ことです。
たとえば、好きな趣味そのものを仕事にする以外にも、その趣味の「どんなところが好きなのか(つくること/調べること/人に教えること/工夫することなど)」を掘り下げてみてください。
頭の中で考えているだけでは見えてこないことも、興味のある分野のアルバイトをしてみたり、イベントに参加してみたり、知識を深めて発信してみたりと、実際に動いてみることで「これなら仕事として楽しく続けられそうだ」「ここは自分に合っているな」といった実感や新しい選択肢が後から見えてきます。
「最初からやりたい完璧な仕事」を決める必要はありません。
“知っている途中・探している途中”であることを楽しみながら、まずは興味のある方向へ一歩足を踏み出してみてくださいね。
🐧ゴリさんからの回答:
まず、こういう質問をしてくれたこと自体がGood!だと思います。
きっと「やりたい仕事が見つからない」と思っている人は、他にもいると思うので。だから、みんなにとって考えるきっかけになる、とてもいい質問だと感じました。
「やりたい仕事がない」ことは、全然おかしいことじゃないと思っています。だって、まだ世の中にどんな仕事があるのか、その全部を知っているわけではないよね。
それに、大人だって、みんなが仕事をイキイキやっているわけでもないし(笑)。
だからこそ、草場代表や田口さんのように、イキイキ仕事をしている大人に、たくさん出会って欲しいと思います。
そして、趣味を仕事にすることも、もちろん可能性はあると思います。
ただ、「自分は何が好きなんだろう?」だけではなく、「その中の、何が好きなんだろう?」まで掘ってみて欲しいです。
例えば、ゲームが趣味だったとしても、
攻略法を考えるのが好き?
人と一緒にやるのが好き?
世界観を見るのが好き?
人に教えるのが好き?
いろいろあるよね。
そうすると、ゲームそのものだけではなく、「自分は考えることが好きなんだ」「人と一緒に何かをするのが好きなんだ」「人に教えるのが好きなんだ」という、自分の「好き」や「得意」、「ついやってしまうこと」が見えてくるかも。
そこに今日話をした「仕事のタネ」が隠れているかもね。なので、今すぐ「やりたい仕事」を決めなくても大丈夫じゃないかな。
まずは、自分の好きなことを一つ選んで、「自分は、その中の何が好きなんだろう?」って、ちょっとだけ考えてみてください。
そこから何か、新しい自分が見えてくるかもしれません。
Q2.「価値観が多様になる中で、ハラスメントと協調性をどう考えたらよいでしょうか?」
最近の社会では考え方や価値観の変化でハラスメント等の問題によりプライバシーの関係上、協調性が昔に比べて衰えてきてしまっているのではないかと日々ニュースを見ていて思います。たしかにハラスメントの問題は丸ごと全て悪くないとまでは言わないですが、たった少しの接触や意気込みの発言等でそのような問題へと発展してしまうとなると社会全体において悪い影響を与えるのではないかと考え、人々の支え合いや助け合いを必要とする世の中ではそのような事は致命的だと個人的に解釈しております。できればですがぜひ、ご意見を聞かせていただきたいです。
🐧田所さんからの回答:
ニュースなどを通して社会の動向をよく観察し、人々の関わり合いや世の中のあり方について深く考察されている、素晴らしい視点ですね。
結論からお伝えすると、ハラスメント対策やプライバシー保護が進んだことで一時的に関係性が「慎重になりすぎている」面は確かにあるかもしれません。
しかし、それによって「協調性や助け合いそのものがなくなってしまう」わけではありません。
今の社会で起きている変化は、助け合いをなくすためではなく、「誰もが嫌な思いをせず、安心して力を発揮できるルールづくり」安全な環境づくりの過渡期にあります。
私世代、昔のように「気合や言葉遣いだけで乗り切る」「過度な踏み込みをする」形ではなく、これからの社会では、「相手の価値観や境界線を尊重しながら、言葉や仕組みで丁寧に協力し合う」新しい形の協調性が求められているのだと思います。
関わり方が変わっても、「困っている人を支えたい」「力を合わせて成果を出したい」という人間の本質的な思いや助け合いの必要性は変わらないと思います。
安心できる環境があって、人々はより強く結びつき、真の助け合いができるようになっていきますので、ぜひポジティブな変化の途中として捉えてみてください。
🐧ゴリさんからの回答:
まず、質問してくれてありがとう。そして、すごくよく考えている質問だと感じました。
だって、人と人が関わらなくなってしまったら、社会はどうなるんだろう?というところまで考えていると思えたので。
ゴリさん的には、「人との距離の取り方が変わってきているのでは?」と感じています。
昔は「厳しく言うこと=相手のため」という考え方もあったかなと。
でも今は、「相手はどう受け取ったんだろう?」まで考えることが求められるようになっているのかもしれません。
「人を傷つけないこと」と「人と深く関わること」って別のことではないのかなと。両立することができないかなぁと。
実はゴリさんも、どう人と関わったらいいか、毎日考えながら過ごしています。そんな中で、今ハマっているのは、日記にその日の自分の良かったところをメモして自画自賛しています!
今日だったら、ゴリさんの話を聞いて頷いてくれる人が一人でもいてくれたって。
メモするようになって、以前よりも自分のことも他人のことも許せるような気がしています。1日の終わりに振り返ると寝つきがいいですよ。
もしよかったらやってみてください。
⛵自分なりの「働く」を見つけていく
田所さんからは、夢が決まっていなくても、経験や出会いはあとからつながっていくこと。
ゴリさんからは、自分が自然と動いてしまうことにも、仕事のヒントがあること。
「何になりたい?」だけではなく、何に心が動くのか。
どんなとき、自分は自然と動くのか。
知らなかった仕事や、さまざまな大人の働き方を知りながら、自分なりの「働く」を見つけていく。
今回の「とりドリさんの場合。」が、生徒のみなさんにとって、その一歩につながる時間となりました。
田所さん、和田さん、ありがとうございました!