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【代表インタビュー】“フレンドシップ制度”を作った背景にある思いとは?

【代表インタビュー】“フレンドシップ制度”を作った背景にある思いとは? | その他

NPO法人キャリアbaseは設立2年目を迎えました。昨年度の実績を認めていただき、今年度も日々多くの相談をいただいていますが、私たちが最終的に目指すのは、「通信制高校における“進路未決定のままの卒業”をなくし、その先の社会的孤立が起きない社会をつくること」です。

このミッションの実現に向け、今回、法人会員向けに新たに「フレンドシップ制度」を設けました。制度を作った理由・背景、そこにある思いについて、当団体代表の草場にインタビューしましたので、ご紹介をさせていただきます。フレンドシップ制度を通じて、緩やかな雇用のセーフティネットワークを創り、広めていきたいと考えておりますので、ぜひ最後までお付き合いいただけると幸いです。

キャリアbaseの現状について


ーーーーー本日はよろしくお願いします!まずは、キャリアbaseの今の状況について教えてください。

NPO法人キャリアbaseでは、高校生向けのキャリア教育・個別の就労支援・居場所支援を行っています。皆さまに活動を支えていただきながら、今期は昨年度を大幅に超えるペースで各学校から個別の支援依頼をいただき、一人ひとり寄り添いながら個別の就労支援を行っています。

私たちが伴走支援をしている生徒の中には、不登校を経験していたり、対人のコミュニケーションが苦手だったり、グレーゾーンの子、ヤングケアラーの子もいます。子どもたちはとても多感な時期を、それぞれの乗り越え方で過ごしてきており、世間一般の「画一的な求める人物像」に合致しない子もいて、就職活動で壁にぶつかってしまうケースも少なくありません。

そのような状況にある子どもたちに寄り添い、社会に羽ばたこうとしている彼らの背中をそっと押すのが我々の役割です。個別伴走支援では、生徒一人ひとりの就職活動に寄り添って支援していきますが、私たちのサポートする生徒数は8月頭時点で約30名。もっと個別支援が必要な生徒がいますが、キャリアbaseで対応できる人数を超えるペースで、学校から依頼が来ています。

就職に向けた個別伴走支援、そこに絶対的に必要なのは「子どもたちの抱えている背景に対する理解があり、受け入れてくださる」企業です。子どもたちは、一人ひとり、違う可能性を持っています。

昨年キャリアbaseが個別伴走支援をしてきた高校生も、今年の4月から企業で立派に働きはじめ、周囲からも高い評価を得ていると聞いています。彼らへのインタビュー記事も別途公開しておりますので、ぜひ併せてご覧ください。

キャリアbaseではこういった支援や雇用のセーフティネットワークを広げていくために、ご賛同いただける方、ボランティアやマンスリーサポーター、法人のフレンドシップパートナーとして、ご協力いただける方をお願いしている状況です。

ミナトリー“フレンドシップ制度”について


ーーーーーミナトリー“フレンドシップ制度”はどのような制度ですか?

まず「ミナトリー」について先に説明をさせていただきますが、キャリアbaseの活動理念に共感し、ともに子どもたちを支えてくださる皆さまを“ミナトリー”と呼んでいます。その中でも、個別伴走支援において企業・団体として私たちの活動を支援してくださる方々を募りたいと考え、「フレンドシップ制度」を始めました。具体的には、

  • うちの会社は不登校経験でも受けてくれて大丈夫だよ
  • コミュニケーション障がいがあっても、うちの仕事はサポートできるよ
  • ヤングケアラーの子でも、働ける環境を用意できるよ
  • LGBTQの子でも、うちは歓迎だよ

と言った、子どもたちが抱えているさまざまなハードルに対して、「私たちの会社なら大丈夫だよ、働きやすい環境があるよ」と意思表明してくださった企業・団体に、ミナトリー“フレンドシップ会員”として、共に雇用のセーフティネットワークを形成していただくものです。

当然、採用ですから、「面接に来た人全員を採用してください」というわけではないのですが、それぞれのハードルを抱える子どもたちにとって、「私でも受けて大丈夫なんだ」「この会社は私の条件でも受け入れてくれる意志があるんだ」という心理的安全性がもたらすプラスの効果は、測り知れないものがあります。

特に我々が主にサポートしている通信制高校では、卒業生の32%、実に年間9万人近い生徒が進路未決定のまま、卒業してしまいます。その彼らの多くは不登校経験者であったり、何かしらのハードルを抱えている生徒です。

彼らが少しでも安心して就職活動にチャレンジできるように。
日本らしい「和で紡ぐ」雇用のセーフティネットワークを創りたいというのが、私たちの願いです。

“フレンドシップ制度”を設立した理由


ーーーーー“フレンドシップ制度”をつくろうと考えた理由について教えてください。

私たちは、フレンドシップ制度を通じて、何らか社会的なハンディキャップを持つ子どもたち(今のところ圧倒的に不登校経験者が多いです)を雇用する意志のある企業の皆さまと、緩やかな雇用のセーフティネットワークを創りたいと考えています。

私はこれまで多くの求人案件を扱ってきましたが、残念ながら「うつ病経験者、精神疾患はNG」というケースはとても多いです。当然、NGと判断する企業側の事情も分かりますが、今や社会全体で、そのような状態から克服していくことを応援しなければと思います。

まだ何もスキルもない高校生では、なおさら自信がなく、みんな不安を抱えながら就職活動をしています。

キャリアbaseには、社会への不安、企業というものへの興味と恐怖、自分への劣等感、いろいろな感情に押しつぶされ、「行動しなければいけないことは分かっているけど、なかなか動けない」という相談がとても多いです。社会に対しての不安がとても大きなものになっているのです。

そういった子どもたちが安心して社会に出てこれるように。
社会は人と人とが支え合っているんだということを若者に感じてもらいたい。

地域や企業が「新たな共同体」として、若者を応援、支援する文化が必要です。目の前にいる子どもたちに少しでも力になれるよう、少しずつ支援の輪を広げられればと考えています。

法人向けのセミナーも開催中


ーーーーー法人向けのセミナーを行っていると思いますが、どのような内容ですか?

まずは高校現場の現状を知っていただきたく、今の情勢や、個別の具体的な伴走支援ケースも可能な範囲で共有させていただいています。特に、高校生の就職活動に関する独自の文化やルール・制度・通信制高校における進路未決定の現実など、社会的にはまだまだ認知されていない課題を、少しでも多くの方に知っていただきたいという思いもあります。

法人向けのセミナーとして発信していますが、会社での職種や立場は一切問いませんので、少しでもご興味のある方は、是非、ご参加いただけますと嬉しいです。


セミナーの詳細・参加お申込については下記URLよりご確認ください。よろしくお願いいたします。

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