blog

【令和5年発表】高卒3年以内の離職率37.0%!キャリアbaseが離職防止のためにできること

【令和5年発表】高卒3年以内の離職率37.0%!キャリアbaseが離職防止のためにできること | 個別就労支援

4月新年度を迎え、1ヶ月が経過しました。ゴールデンウイークが明けて通常通りの日常を過ごされている方が多い中、ニュースでは新社会人の離職が話題にあがっています。キャリアbaseから送り出した新社会人の中からも数名、離職につながったケースがありました。

今回は、高卒の離職と離職が起きる原因、キャリアbaseでできることについてお伝えいたします。

厚生労働省調査|令和5年の高卒3年以内離職率は37.0%/前年比1.1ポイント上昇

まずは、厚生労働省が出している離職率の数値についてお伝えします。厚生労働省が令和5年に発表した、令和2年3月の高卒生の3年以内離職率は、37.0%でした。離職率の年次別の内訳は、1年目で15.1%・2年目で11.7%・3年目で10.2%。過去10年を振り返ると、入社3年以内離職率は40%前後となっております。

高校卒業後直近の入社1年以内離職率は、令和4年3月の高卒生の離職率で見ると、17.8%。直近7年間で1番高い離職率となりました。しかしながら、年々増えている数値ではなく、毎年同じような離職率となっています。

参照:厚生労働省|別紙1 新規学卒就職者の学歴別就職後3年以内離職率の推移

参考

高卒早期離職が起きる原因

高卒の早期離職が起きる原因については、主なポイントとして3つ挙げられます。

①企業比較がしづらい


高校生の就職活動には、「一人一社制」や「学校斡旋」という独自文化やルールがあります。かつ、内定が決まると原則内定辞退ができません。大学生の就職活動のように、数社並行して選考を進めることは慣習やルール上できず、比較検討ができないという現状があります。学業最優先の高校生を守るためのルールです。

地域によって10月以降になれば、1人2社を受けられるようになってはいますが、高校生が十分に企業を比較できるかというと難しいのではないでしょうか。

②タイトなスケジュール


高校生の就職活動は、7月求人票解禁、8月応募前職場見学、9月選考スタートと、タイトなスケジュールで行われます。じっくりと企業研究や職種研究ができないまま、求人票を確認して職場見学をする企業を絞り込んでいきます。

早ければ夏休み中から履歴書作成や面接練習などを行いますが、求人票解禁から2ヶ月程度で内定先が決まる生徒が多数。

高校生の就職活動はスケジュールが明確に決まっており、先生のフォローが手厚いというメリットがある一方、短期決戦であるがゆえ、時期を外して就職活動を行うと、採用枠が残っていない状況になります。受験できる企業がかなり絞られて就職活動をしなければいけないという選択肢の狭さから、本人の適性や志望とミスマッチした企業へ内定が決まることもあります。

キャリアbaseでは、サポートが必要だと依頼があった生徒は、7月より本格的に個別就労支援としてじっくりと伴走しております。しかしながら、相談の多くは『二次募集』といわれる秋以降の依頼が多い状況です。秋以降の活動になると、限られた採用枠での就職活動になるため、本人の志望を十分に広げながら、サポートを行っています。一般的なスケジュールである9月の一次選考から、就職活動ができると理想です。

③情報が少ない

高校生の就職活動は、毎年7月に求人票が解禁になってから始まります。会社や求人内容の情報は、1社2~3枚の求人票がメインです。あとは、会社のホームページ程度。そのため、求人票から数社志望企業を絞って、夏休みを利用して職場見学に行きます。

職場見学をすることで、求人票では得られない会社や働く職場の雰囲気を感じることができます。また、学校によっては高校生の就職活動事情について情報が不足している場合があり、秋以降になって慌てて就職活動をスタートし、キャリアbaseにお声がけいただいてサポートすることもあります。

高卒半年以内の超早期離職者の理由 2大トップ

高校卒業して入社後に、半年以内に超早期離職する理由は大きく2つあります。

①「入社前と入社後の会社のイメージが違った」

高校生の就職活動では応募前職場見学ができますが、職場見学だけではわからない職場の雰囲気や文化が、実際に働いてみると合わないと感じることがあるという場合あります。

大学生ではインターンシップの文化があり、会社のイメージと自分のイメージのギャップを埋める機会がありますが、高校生の場合は学業優先のため、卒業式までに内定先企業と接触する機会が制限されています。

厚生労働省から企業へ以下の通知がされています。

“卒業前実習、教育、研修等に当たっては、学校教育に支障をきたすことが考えられるため、教育等は入社後に事業主の指揮命令のもとで実施してください。”

参考:厚生労働省:’25 新卒者募集のために令和7年3月 新規学校卒業者の募集・採用
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/content/contents/001808058.pdf

また、入社前に想像していた仕事内容と入社してから実際の内容が異なる場合はストレスとなり、離職につながってしまうことあります。

②「人間関係が合わなかった」

仕事内容は志望の通り入社したあと、指導者や先輩、同僚との人間関係で悩んで離職につながるケースもあります。

キャリアbaseには、入社して数日で「人間関係が合わなかった」という理由で、離職後の転職相談がありました。自分の環境や状況を乗り越えようとする生徒と丁寧なヒアリングを重ねてサポートをしておりますが、離職につながってしまうケースがあります。

新社会人になった以降も、相談ができる場所としてキャリアbaseを信頼していただけているため、社会的に孤立しないようそれぞれの事情に寄り添ってサポートしてまいります。

高卒社員が入社後のギャップを最小限にするためにできること

高校卒業して入社後のギャップを最小限にするためには、就職活動が本格化する高校3年生の夏までに、以下の4点を進めていけるようにサポートしています。高校生から社会人へと大きく環境が変わるからこそ、丁寧に行っていきたいものです。

①自己分析 

キャリアbaseでは、高校1年生の時点から自己分析のためにRIASEC適性検査やTAエゴグラムを用いて“じぶん理解”を進めています。高校卒業後の進路が、進学であっても就職であっても、まずは自己分析から。自分に合う傾向を理解していけるよう促しています。
自己分析の結果から、

  1. じぶんの性格
  2. じぶんに合いそうな職種・業種
  3. 仕事内容

の傾向を整理していっています。

②会社の情報収集 


高校生が就職活動で、会社の情報を収集するめに使用するのが求人票です。求人票は文字だけで、A4用紙2~3枚程度の情報しかありません。求人票に慣れていない高校生は見方がわからないため、キャリアbaseでは7月求人票解禁になる前の6月に、就職セミナーで求人票の見方についてお伝えしています。

求人票の見方を伝えた上で、生徒がそれぞれ「自分が求人票の項目でハズせない!」と考える項目の優先順位と理由について書き出して、可視化するようにしています。自分の志望について自己理解を進め、就職活動が本格化する前に就職先に求める条件を整理することで、志望に合わせた活動ができるようになります。

③夏休みの職場見学

実際に会社の雰囲気や仕事内容を自分の目で見ることで、求人票の文字だけではわからなかった魅力を知ることができます。高校生には、進路選択のときには『自分で「調べる」「見に行く」「比較する」を行っていきましょう』と伝えています。特に「見に行く」は、直接会社の雰囲気を確認できる場です。

高校生は就職活動において、基本的に1社ずつしか選考を受けられないため、応募前職場見学を3社は行くことをオススメしています。

④希望職種でのアルバイト経験

高校生になると、アルバイトを行っている生徒も多数います。社会人になる前に、希望する職種をアルバイトとして経験をしていることで、職種に対するミスマッチを軽減することが可能です。

しかしながら、アルバイトの方が居心地が良いということからフリーターへつながるケースもあります。そこで、キャリアbaseでは、給与面や責任感、やりがいなど社会人とアルバイトの違いについても生徒に伝えております。

高卒離職防止のためにキャリアbaseが力を入れていること

離職を完全に0にすることは、様々な事情があるため難しいですが、高卒離職の防止につなげるためにキャリアbaseでは力を入れて活動をしていることがあります。

①キャリア教育 

キャリアbaseは、2021年11月に設立後、これまで21,000人を超える生徒にキャリア教育を行ってきました。(2024年6月時点)

高校の進路指導部と連携し、各校に合わせた授業を企画・実施。高校3年時に実施する進学・就職に直結する授業だけでなく、高校1~2年生の段階から自己理解・自己探究・自己肯定感の醸成といった、進路を考える上でベースとなる部分を固める授業も提供しています。

②就活セミナーの実施


キャリアbaseでは、通信制高校を対象に4月~10月にかけて、新高校1年生から3年生を対象に就活セミナーを実施。

就活セミナーでは、高校生の就職活動の流れやスケジュール、自己分析の仕方や企業選びなど時期に合わせたセミナーを開催することで、早期から進路選択や社会人になるための準備をする支援を行っています。

高校生の就職活動で重要な求人票の見方も伝え、求人票解禁までの期間に求人票に慣れるような機会を設けています。

③個別伴走型就労支援


キャリアbaseでは、就職活動において何らかの事情を抱えていたり、学校側の就職活動のフォローが難しい場合があったりなど、個別伴走型の就労支援も行っています。

本人の適性・志望を丁寧にヒアリングを重ね、受験先企業に合わせた面接対策を実施。一人ひとりと向き合って、主体的に将来を選んでいけるようなサポートを心掛けています。ときには、10回以上の面談をする場合や、求人票だけで就職活動が難しい場合は企業担当者と信頼関係を築きながら“週5日8時間労働”以外の働き方を提案させていただくこともあります。

④積極的な提言活動

キャリアbaseがこれまで出会ってきた就職を希望する生徒には、様々な事情を抱えた生徒がいます。就労に向けたトレーニング、社会に出る企業を一緒に探していくことを丁寧に行っていますが、キャリアbaseの活動だけでは、様々な事情を抱えた生徒の就労は難しいのが現状です。

より若者が働きやすい社会を創れるよう、東京都のソーシャルファーム認証制度を1つの見本に「スモールステップ採用」をひろげていきたいと考えています。時間を要する活動ではありますが、彼らを受け入れてくれる社会の土壌をつくっていくため、そして、より社会全体で若者を支援する体制の構築に向けて、積極的に提言活動を行ってまいります。

まとめ|高卒離職防止のためにキャリアbaseができること


『高卒離職防止のためにキャリアbaseが力を入れていること』でもお伝えしましたが、キャリアbaseでは高卒離職防止のために、早期からのキャリア教育や就活セミナー、個別就労支援を行っています。

生徒自身の自己理解からスタートし、生徒との面談内容や面接対策のフィードバック、客観的な問題把握等も共有しながら、学校や担当教員との連携してまいります。

ステップアップ採⽤の創出の強化

生徒が自分らしく働ける企業をキャリアbaseのネットワークからピックアップし、企業側へのフォローも並行して実施。

しかしながら、個別の伴走支援だけは就労が難しい場合があり、勤め先の企業の土壌が必要です。“スモールステップ採用”など就労環境に対して柔軟に対応いただける、受け⼊れ先企業の開拓も行っています。

キャリアbaseでは、送り出した生徒の中に、週3日アルバイトから徐々に週5日正社員を目指す“スモールステップ採用”で正社員になった青年もいます。今後も“スモールステップ採用”を企業に創出していただけるよう活動を広げてまいります。

関連記事

2022年度に“スモールステップ採用”で旅立ったOさんが、4月より正社員へ✨

キャリアbase活動資金の募集


キャリアbaseでは、不登校、ネグレクト、発達障がい、ヤングケアラー、など様々な事情を抱える生徒のサポートをしています。彼らが社会に出て、毎月お金を稼いで、自分で生活していくには大人のサポートが必要です。

しかしながら、サポートを継続的に行っていくには資金が必要なのも事実としてあります。キャリアbaseが活動するための資金全てを学校側や保護者に負担していただくのは非常に難しい状況です。

高校生の未来のための活動資金にご協力いただけないでしょうか。皆さまの温かい輪が広がると幸いです。

キャリアbaseでは、マンスリーサポーター(月額寄付)を募っています!
単発のご寄付も大変ありがたいです。
よろしくお願いいたします。
ご寄付:https://syncable.biz/associate/careerbase/donate

お問い合わせ お問い合わせ

ご相談、ご質問に関しては
下記のフォームよりお気軽にご連絡ください。

お問い合わせ お問い合わせ
お問い合わせ